*ソーシャルファイナンス研究会は、8月6~7日の軽井沢合宿セミナーを持って、中止となりました。
1.趣 旨
近年、内外において、「社会的インパクト債」、「社会的投資」、「クラウド・ファンディング」など、社会・環境分野における新たなソーシャルファイナンス手法が登場し、注目を集めている。
英国は、2000年代初頭から、社会的投資政策を推進しており、社会的インパクト債もいち早く導入した。また、社会的証券取引所の設置、コミュニティ利益会社(CIC)のような新たな法人格の設立、社会的投資に資金を提供するビッグ・ソサエティ・キャピタルの設立、社会的インパクト評価手法の開発などを通じて、ソーシャルファイナンスの基盤を整備してきている。また、グローバルにも、グローバル・インパクト投資ネットワーク(GIIN)が関係者のネットワーク化を進めると共に、インパクト報告・投資基準(IRIS)を通じてインパクト評価指標の標準化を進めている。さらに、グローバル社会的インパクト投資ステアリング・グループが設立され、G7諸国を中心に情報共有や政策モニタリングなどが始まっている。日本でも、社会的インパクト債のモデル事業開始など、関連した動きが見られる。
こうした状況を踏まえ、本研究会では、英国を中心とした海外のソーシャルファイナンスの動向をレビューし、これを踏まえて日本における新たなソーシャル・ファイナンス導入の可能性について検討する。また、こうした新たなソーシャルファイナンスの登場が開く、サードセクター研究やNPO研究分野における新たな地平についても検討したい。
2.取り上げるテーマ
(1) イントロダクションと概観
(2) 資金調達手法
- デット・ファイナンス(NPO債、擬似私募債、コミュニティ証券等)
- エクイティ・ファイナンス(エクイティ、準株式等)
- 社会的インパクト債
- クラウドファンディング (寄附型、購買型、投資型等)
- 社会的証券取引
(3) 主要プレーヤー
- 政府、b. 金融機関、c. 財団、d. 社会的投資ファンド、e. 流通市場
- NPOバンクと市民ファンド
(4) 社会的企業
- 法人格(NPO、協同組合、ソーシャル・ベンチャー、ハイブリッド)
- 成長段階とスケールアップ戦略に応じた資金需要
- 資金受け入れ体制
(5) 社会的インパクト評価、社会性認証、レーティング、社会的会計・監査
(6) 政策ツールと合意形成
(7) 理論的・実践的課題
3.想定される参加者
ソーシャルファイナンスに関心を持つ研究者・大学院生 、金融関係者、NPO・社会的企業実務家、政府関係者等
4.スケジュール
定例研究会 (夏季期間を除き原則毎月第二土曜日に、東京で定例研究会)
夏期合宿セミナー(8月と9月に、軽井沢で一泊二日の合宿を計2回)
5.報告書執筆
一部の参加者には、研究会での話題提供や報告書・出版物等の原稿執筆をお願いする予定。