「社会的インパクト債の最新動向と日本における発展の可能性」

近年、社会的インパクト債に対する関心が高まっています。英国で開始されたこの新たな資金提供手法は、2015年10月時点で世界8カ国において約50件が導入済みで、今後さらに拡大が予想されます。日本でも、6月に閣議決定された「日本再興戦略2016」において、高齢者医療や健康寿命の延伸分野で社会的インパクト債の社会実装に向けた検討を進めることが明記されました。社会的インパクト債は経済財政諮問会議においても、民間活力推進のツールとして取り上げられています。
このように、内外で注目を集めている社会的インパクト債ですが、一方で、これに反対する議論も出てきました。また、幾つかの失敗事例も報告されています。当初、大きな期待を受けて登場した社会的インパクト債ですが、現実のプログラムへの適用事例が蓄積されるにつれ、より現実的な検討がなされる段階に入ったようです。
第3回研究会では、こうした状況を踏まえ、社会的インパクト債の歴史、基本的な枠組み、現状を整理し、その上で、英国と日本の最新の状況について検討します。さらに、既に公表されている幾つかの案件の事業報告や社会的インパクト債を巡る議論を取り上げ、社会的インパクト債の有効性や妥当性について、多角的に検証する予定です。
社会的インパクト債に関心を持つ研究者や実務家、あるいは社会的インパクト債の導入を検討しておられる政府・自治体の関係者等、多くの方々にご参加頂ければ幸いです。

【日時】
8月6日(土)正午~8月7日(日)正午(1日目だけの参加も可能です。)

【スケジュールと講師】
08月06日(土)12:00~16:00 昼食の後、講師による報告と質疑
講師:幸地正樹・ケイスリー代表
講師:塚本一郎・明治大学経営学部教授、同大学非営利・公共経営研究所代表
モデレータ:小林立明・日本公共政策研究機構主任研究員
08月06日(土)17:00~19:00 交流会
08月07日(日)09:00~12:00 朝食の後、講師と参加者の徹底討論
08月07日(日)12:00~    昼食の後解散
【会場】
日本公共政策研究機構軽井沢ラボ
軽井沢町長倉(中軽井沢塩沢湖畔)(参加者にアクセス詳細をご連絡します。)
【参加費】
8月1日(月)までに申し込みし、かつ参加費振り込みをされた方
土曜日日帰りの場合:参加費6千円(昼食1回、交流会1回、資料等を含む)
1泊2日の場合:参加費8千円
(昼食2回、朝食1回、交流会1回、資料等を含む。宿泊は男女別相部屋になります。自己負担で徒歩圏内のホテルに宿泊することもできます)
8月2日以降申し込み、当日参加費支払いの方
土曜日日帰りの場合:7千円、1泊2日の場合:9千円
【定員】 日帰り参加:25名程度、1泊2日:15名程度
【参加申し込み 】
以下の参加申し込みフォームに必要事項を記入の上、事務局(jipps2014@gmail.com)までお送りいただくとともに、参加費をなるべく事前にお振り込みください。
【プログラム概要】
1.イントロダクション(小林)
社会的インパクト債(Social Impact Bonds: 以下、SIB)とは何か。これを理解するためのイントロダクションとして、本セッションでは、SIBの基本的枠組みと発展過程を主要文献に基づいて整理する。その上で、現在、世界各国で導入されているSIBの現状を主な対象分野、枠組みなどの類型に基づいて概観し、あわせてSIBを促進するための際作的な枠組みについても検討したい。2.英国における社会的インパクト債の動向(塚本)
世界最初のSIBが2010年に英国で開始されて以降、SIB導入ニーズが世界的に急速に高まりつつある。SIBのコンセプトは英国のみで発展したわけではないし(最初の提唱者はニュージーランドの経済学者)、SIB台頭の背景には、PbR(成果連動報酬契約)のようなNPM型行政改革やインパクト投資の潮流、そして、公共セクターと民間セクター(社会的企業を含む)間のインパクト志向の官民連携の進展がある。PbRやインパクト投資のコンセプトが官民連携スキームの設計に巧みに反映され、SIBの制度化がなされたことが、堅調な発展の背景にあるといえる。
本報告では、英国におけるSIBの動向について、その全体状況を踏まえつつ、特にプログラムのパフォーマンスマネジメントと、ステークホルダーマネジメントに焦点を当てた事例分析を通じてSIBの意義と課題、SIB導入への示唆について論じたい。3.日本における社会的インパクト債の動向と課題(幸地)
欧米を中心に急速に拡大するSIBについて、日本でもパイロット事業が始まり、2016年6月に閣議決定された日本再興戦略2016(成長戦略)等に「SIBの社会実装に向けた検討を進める」と明記され、導入に向けた機運が高まっている。本報告では、日本におけるSIBの動向について、これまでの取組みと3件のパイロット事業、さらに2017年度の本格導入に向けた中央政府や地方自治体を巻き込んだ今年度の取組みと現場でSIB導入を推進する立場から見えた課題に迫り、日本でのSIB導入に向けた建設的な議論への導入としたい。4.総合討論
2010年に英国でSIBが初めて導入されてから6年が経過し、初期の案件については失敗事例も含めて幾つか報告書が公開されている。また、SIBの拡大に伴い、専門家やソーシャル・セクターからも批判的なものも含めて様々な議論が出てきた。
総合討論では、こうした状況を整理した上で、SIBの妥当性と有効性の範囲や、社会政策における位置づけについて、講師によるパネル・ディスカッションを行う。さらに参加者からの質疑応答やコメントも積極的に受け付け、今後、日本において社会的インパクト債を導入・発展させていく上での課題や論点を多角的に検証する。【講師略歴】
幸地 正樹(こうち まさき)
ケイスリー株式会社代表、ソーシャルインパクトボンドジャパン管理者、社会的インパクト評価イニシアチブ共同事務局。大学卒業後、リクルート・PwCを経て、2016年4月、社会的インパクト投資及び社会的インパクト評価に特化したコンサルティングサービスを提供するケイスリー株式会社を設立し、現在に至る。
塚本 一郎(つかもと いちろう)
明治大学経営学部教授, 非営利・公共経営研究所代表、公共経営・社会戦略研究所代表。専門は社会的企業とインパクト評価に関する研究。著書は、『社会貢献によるビジネス・イノベーション』(丸善、2012) (共著),New Public Governance (Routledge,  2012)(共著), Social Enterprise (Tufts University , 2009) (共著)等多数。
小林 立明(こばやし たつあき) (モデレーター)
日本公共政策研究機構主任研究員。国際交流基金、日本財団勤務、ジョンズ・ホプキンス大学 客員研究員等を経て、現職。専門領域は、グローバル・フィランソロピーとソーシャル・ファイナンス。主要著作は、「フィランソロピーのニューフロンティア」(レスター・サラモン著、ミネルヴァ書房、2016)(翻訳)、「英国チャリティの変容」(弘文堂書店、2015)(共著)等。

【申し込みフォーム】
8月1日(月)までにjipps2014@gmail.comあて送信の上、

下記口座に振り込みをしてください。
8月2日以降のお申込み、振り込みの場合は、千円アップになります。
************************************************************************************8月6日~7日のソーシャルファイナンス研究会に
( )1日目のみ参加したい(6千円、8/1までに振り込みの場合)
( )1泊2日で参加したい(8千円、8/1までに振り込みの場合)お名前:
ご所属:メールアドレス:
携帯電話:*************************************************************************************
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振込先(8/1までにお振り込みください)
三菱東京UFJ銀行千里中央支店
普通口座 0317718
一般社団法人日本公共政策研究機構
シャダンホウジンニホンコウキョウセイサクケンキュウキコウ*参加者都合によるキャンセルの場合は原則として払い戻しいたしません。
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